ゴツゴツの岩肌や尖った木など、鋭利なものに触れる機会が多い登山。時にはバランスをとったり登攀のために、やむを得ず手を使う場面もあります。
素手は操作性はもちろん、感覚の面でも有利ではありますが、やはり山の中で怪我を負うリスクはなるべく低くしたいもの。となれば、グローブで保護するのが一番です。
ブラックダイヤモンドのクラッググローブ
それがこれ、ブラックダイヤモンドのビレイグローブ、クラッググローブです。
ブラックダイヤモンドのビレイグローブの中では下位モデルであり、ベルトが合皮だったりと細部でコストカットが図られているような気がしますが、肝心な箇所は妥協のない作り。使う時はとことんラフに使う「道具」ですので、個人的には機能を損なわない限り、リーズナブルなほどありがたいです。
サイズはXS、S、M、L、XLの5サイズ展開。私の手は平均的な大きさだと思いますが、Mだと多少指先があまり、操作性が悪いような気がしたのでSサイズを選択。初めての使用時にはちょっときついかな?という感じでしたが、しばらくつけているといくらか延びてきたのか、きつさを感じない程度のジャストサイズになりました。
ビレイグローブとは?
ビレイグローブとは、クライミングでロープ確保を行う際に着用するグローブなので、
- ロープを適切に扱うための高い操作性
- 摩擦に耐えるための耐久性
- 着脱の容易性
- 不使用時の携行性
と、クライミングを含まない行程の登山でもあるとうれしい機能をばっちり備えています。
操作性

生地が二重になっていたりする普通の手袋にありがちな、何かを握ったり持ったりした時に感じる「生地のズレ」(伝わるかな?)。
もしもの時に岩に手をかけたとして、この「ズレ」が発生したら致命的です。
クラッググローブの掌部分をみると、耐久性の高い生地で補強されていますが、生地のズレが起きないように細かいパターンで縫製されているため、素手に近い操作性を実現しています。
耐久性

上でも触れましたが、ロープの摩擦に耐えるために、掌から指先にかけて(特に親指と人差し指の間の水掻き部分について)、しっかりと補強されています。

また、岩場にぶつけやすい中手骨頸部(げんこつ)部分も生地が二重になっているため、どこをとっても岩場で破けてしまう感じはせず、安心感があります。
着脱容易性

ベルト部分が大きいことで扱いやすく、またベルトを解放した状態で手首部分が大きく開くように深く切り込みが入っているため、手が汗ばんでいてもストレスなく着脱することができます。
携行性

外した状態で携行するためにカラビナを通せる大きめのループがついているため、ザックの腰ベルトなどに常に備えておくことができます。
また、このクラッググローブは親指の付け根あたりがタオル地になっていて、岩場などタオルを取り出したりしにくい場面で汗を緊急的に拭う時に顔を傷つける心配がないため便利です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ファーストエイドキットを持っていたとしても、応急処置には限界がありますので、やはり山行中の怪我のリスクは侮れません。
登山でグローブを使うのは、もちろん手を保護するのが主な目的ですが、要所でグローブを着用することで、「よし、やるぞ!」という気合が入るおまじない的な部分も実はあったりします。