ドリップポット

Miyacoffee シングルドリップを長期レビュー:毎朝使い続ける理由

ドリップポット

コーヒーを一杯だけ淹れるとき、大きなケトルではお湯を注ぎにくいと感じることがあります。

特にドリップバッグは開口部が狭く、湯量を調整しながら狙った場所へ注ぐのは意外と難しいものです。

そんな悩みからはじまり、私が毎朝使うことになったのは、宮﨑製作所の「Miyacoffee シングルドリップ」です。

正確な購入時期は覚えていませんが、少なくとも2019年7月以前から使っています。外泊などを除けば、使う頻度は週6日以上。それだけ使い続けても買い替えたいと思わない、私にとってすっかり定番になった道具です。

この記事では、長く使って分かったMiyacoffee シングルドリップの魅力と、購入前に知っておきたい点を紹介します。

Miyacoffeeシングルドリップの全体

Miyacoffee シングルドリップの基本情報

Miyacoffee シングルドリップは、新潟県燕市の宮﨑製作所が製造している一杯用のドリップポットです。

宮﨑製作所の公式サイトに掲載されている主な仕様は次のとおりです。

  • 満水容量:400ml
  • 重量:約180g
  • 本体・蓋:18-8ステンレス
  • ハンドル・蓋のつまみ:天然木
  • 注ぎ口:直径7mm
  • サイズ:幅15.1cm、奥行15.3cm、高さ9.7cm
  • 直火・IH:使用不可

ケトルとしてお湯を沸かすのではなく、やかんや電気ケトルなどで沸かしたお湯を移して使います。

カラーは、ホワイトビーチ、マホガニー、マットブランの3種類。私が使っているのは、黒い本体に木製のハンドルを組み合わせたマホガニー(品番:MCO-6)です。

一番気に入っているポイントは急須型のハンドル

このポットを気に入っている最大の理由は、ハンドルの位置です。

一般的なドリップポットの多くは、注ぎ口の反対側にハンドルが付いています。一方、Miyacoffee シングルドリップのハンドルは、本体の側面から伸びた急須のような形になっています。

本体側面から伸びる急須型の木製ハンドル

私は以前、注ぎ口の反対側にハンドルが付いた無印良品のポットも使っていました。比べてみると、個人的にはMiyacoffeeの急須型ハンドルの方が明らかに扱いやすいと感じます。

側面のハンドルを握ると、自然な角度でポットを持ちながら注ぎ口が見やすいので、注ぐ量を細かく調整できます。細く静かに注ぐことも、必要に応じて勢いよく注ぐことも可能です。

注ぎ始めから最後まで一定の湯量を保ちやすい点も、毎日使っていて気に入っているところです。

どちらの形が使いやすいかは、使う道具や注ぎ方によっても変わると思います。

 
私は急須型の方が断然好みでした。

蓋を押さえながら自然に注げる

お湯を最後まで注ぎ切るときは、蓋が外れないように押さえた方が安心です。

Miyacoffee シングルドリップは、ハンドルを握った手の人差し指を伸ばすと、そのまま蓋のつまみに届きます。片手でハンドルを握りながら、人差し指で蓋を押さえて注げる形です。

右手でハンドルを持ち人差し指で蓋を押さえた状態

蓋のつまみには天然木が使われているため、お湯を入れたあとでも熱さは感じません。つまみの上面が平らなので、指を添えやすい点もよく考えられています。

蓋を押さえる動作は必要ですが、何年も使っていると意識することもないほど自然な持ち方になりました。

一杯分のお湯を細くも太くも注げる

注ぎ口は直径7mmの細口です。

極端に細いお湯しか出せないわけではなく、ポットの傾け方によって湯量を変えられます。ペーパードリップで細く注ぎたい場面にも、ドリップバッグへ少し多めに注ぎたい場面にも対応できます。

Miyacoffeeシングルドリップから細くお湯を注ぐ様子
細く注いだ状態
Miyacoffeeシングルドリップから多めにお湯を注ぐ様子
湯量を多めにした状態

平日に最もよく使うのは、一杯分の使い切りドリップバッグです。ドリップバッグは開口部が狭いため、大きなケトルでは狙った場所へ注ぎにくいことがあります。

このシングルドリップなら、粉の状態を見ながら必要な場所へ注ぎやすく、カップの外へお湯をこぼす心配も減りました。

時間に余裕がある休日には、豆を挽いてペーパードリップをすることもあります。注ぐ量を一定に保ちやすいため、こちらの使い方でも不満はありません。

約350mlが一杯分にちょうどいい

公式仕様の満水容量は400mlですが、実際に無理なく使える量は350ml前後だと感じています。

約350ml入れると、大きめのマグカップへたっぷりコーヒーを淹れられます。多すぎず少なすぎず、私が普段飲む一杯にちょうどいい容量です。

最初に一杯分のお湯だけをポットへ移しておけば、それ以上の量がカップに入ることはありません。

ペーパードリッパーをマグカップへ直接載せると、抽出中はカップの中が見えにくくなります。普通のケトルや電気ポットから直接注ぐと、あとどれくらい注いでいいのか分からず、カップからあふれそうになることもあります。

 
使うお湯をあらかじめシングルドリップへ入れておけば、溢れる心配をせず抽出に集中できます。当たり前のことなんですが、これが結構ストレスを減らしてくれます。

一方、家族や来客を含めて複数人分を一度に淹れるには容量が足りません。私は基本的に自分の一杯専用として使い、来客時には別の方法でコーヒーを用意しています。

移し替えたお湯の温度を測ってみた

宮﨑製作所の公式サイトでは、沸騰させたお湯をシングルドリップへ移すことで、コーヒーの抽出に適した85~90℃になると案内されています。

そこで、普段の使い方に近い条件で湯温を一度測ってみました。

測定時の室温は26℃、湿度は70%。98℃に設定した電気ポットから約350mlのお湯を注ぎ、1分後に調理用温度計で測定したところ、湯温は85.5℃でした。メーカーが案内している温度帯の範囲内です。

湯温測定時の室温26℃と湿度70%
電気ポットの98℃設定
約350mlのお湯を入れたポットの湯温測定

ただし、電気ポットの98℃は設定値であり、注ぐ直前の湯温を測定したものではありません。試行回数も1回だけなので、今回の結果はあくまで参考値です。

普段のように移し替えてすぐ抽出を始めた場合は、今回測った85.5℃よりも高い温度で注ぐことになると思います。それでも、熱湯を一度移すことで温度が落ち着くというメーカーの説明は、確かにそうらしいと実感できる結果でした。

長く使って分かった耐久性

少なくとも2019年7月以降、ほぼ毎日使っていますが、機能面で大きな劣化はありません。

ハンドルや蓋のつまみに割れはなく、ハンドルの緩みもありません。何度か落としてしまったこともありますが、本体に目立つへこみはできませんでした。

本体と蓋には18-8ステンレスが使われています。私の使い方では、長期間使っても内部や外側にサビは見られません。

ただもちろん、まったく変化していないわけではありません。

毎日触れている木製部分は、新品時よりも色が濃くなっています。蓋や底面には、長年使ったことによる塗装の剥がれもあります。

長期使用で色が濃くなった木製ハンドル
長期使用による蓋の塗装剥がれ

それでも、全体を見れば十分きれいな状態です。木部の色の変化は劣化というより、使い込んだ道具らしい風合いにも見えます。

塗装に使用感は出ても、注ぎやすさやハンドルの安定性は変わっていません。見た目を気に入って買ったポットを、長く同じ使い心地で使えている点には満足しています。

ハンドルはシンプルなねじ式

木製ハンドルは、ねじで固定されたシンプルな構造です。

現在まで緩みはありませんが、もし緩んでも締め直せる構造に見えます。ただし、強く締めすぎると木製部分へ負担をかける可能性があるため、実際に調整する場合は慎重に行った方がいいでしょう。

長く使う道具は、複雑な構造よりも、自分で状態を確認しやすいことが安心につながります。壊れにくいだけでなく、ハンドルの固定方法が分かりやすい点も好印象です。

普段のお手入れと乾かし方

私はシングルドリップの中へ水とお湯以外を入れません。

普段は熱湯を注ぎ切ったあと、蓋を外した状態で置いて乾燥させています。毎回洗剤で洗っているわけではありませんが、この使い方で内部にサビや気になる汚れは見られません。

使用後に蓋を外して乾燥させている状態

これは私の使用方法であり、お手入れ方法の正解が一つというわけではありません。汚れや水滴が気になる場合は、製品の状態を確認しながら洗浄や拭き取りをした方がいいと思います。

口が狭い製品ではないため、内部の状態を目で確認しやすい点は助かります。使用後に蓋を外しておけば、内部も比較的乾きやすいと感じています。

使っていて気になる点

長期間使っていますが、大きな不満はありません。

あえて購入前に知っておきたい点を挙げるなら、次の4つです。

注ぎ切るときは蓋を押さえたい

ポットを大きく傾けて最後まで注ぐ場合は、人差し指で蓋のつまみを押さえた方が安心です。

片手で自然に持てますし、木製のつまみも熱くなりませんが、蓋を押さえずに最後まで注げるポットを求める人には気になる可能性があります。

一人分に特化した容量

実用量は約350mlで、基本的には一人分向けです。

大きめのマグカップ一杯には十分ですが、二人分以上を一度に淹れたい人には大きなドリップケトルの方が向いています。

直火やIHでは使えない

Miyacoffee シングルドリップは、直火やIHでお湯を沸かす製品ではありません。別のケトルなどで沸かしたお湯を移して使います。

道具を一つでも減らしたい人には手間に感じるかもしれません。一方、私は移し替えることで一杯分の量を決められ、注ぎやすくなることに価値を感じています。

右手で注ぐことを前提にした形

急須型のハンドルは注ぎ口に対して横向きに付いているため、基本的には右手で持って注ぐことを前提にした形です。

右手で使うと、注ぎ口を見ながら人差し指で蓋を押さえられます。一方、左手で同じように持とうとすると、ハンドルと注ぎ口の位置関係が反対になり、右手ほど自然には扱えません。

私は右手で使っているため、この形を使いやすいと感じています。左手でポットを持ちたい人は、購入前にハンドルの向きを確認した方がいいと思います。

Miyacoffeeシングルドリップを右手で持った状態
右手で持った状態
Miyacoffeeシングルドリップを左手で持った状態
左手で持った状態

Miyacoffee シングルドリップが向いている人

実際に長く使った経験から、次のような人には相性がいいと思います。

  • 一人分のコーヒーを淹れることが多い人
  • ドリップバッグへ注ぎやすいポットを探している人
  • 細い注湯と多めの注湯を使い分けたい人
  • 右手でポットを持って注ぐ人
  • 急須型の横向きハンドルに魅力を感じる人
  • 木とステンレスを組み合わせたデザインが好きな人
  • 毎日使えて、長く付き合える道具を選びたい人
  • お湯を別のケトルで沸かすことを手間に感じない人

反対に、複数人分をまとめて淹れたい人や、ポットを直接火にかけてお湯を沸かしたい人には向いていません。左手でポットを持って注ぎたい人も、ハンドルの向きが自分に合うか購入前に確認した方がいいと思います。

これからも使い続けたいドリップポット

Miyacoffee シングルドリップは、私にとって毎朝使うのが当たり前になった道具です。

長く使ううちに木製部分の色は濃くなり、塗装にも使用の跡が残りました。それでも、買い替えたいと思ったことはありません。

使いやすさだけでなく、見た目も気に入っていて、なかなか壊れない。使い込むほど自分の道具になっていくところにも愛着を感じています。

これからも、毎朝の一杯を淹れるために使い続けていきたいと思います。