今や当たり前の存在となった「焚き火台」。
しかし、キャンプをしない人が焚き火を想像すると、おそらくその脳内に焚き火台は登場しないでしょう。
それでも、現在では全国のキャンプ場のほとんどで直火が禁止されています。一体どうして直火はダメなのか?直火をすると何が起こるのか?考えてみました。
直火とは
一般的にキャンプにおける直火とは、焚火台を使用せず、直接地面の上で焚き火をすることを指します。しかしむしろイメージ上は、地面の上で焚き火をするのが普通ですよね。
直火をすると何が起こる?
丁寧に焚き火をしたとしても、どうしても起こってしまうこととしては、
- 地面へのダメージ
- 立木へのダメージ
- 芝生へのダメージ
というような焚き火を行った場所への直接的なダメージが考えられます。
地面へのダメージ
直火をすることによって、地面の中で生きている微生物が死んでしまうという説。
土が弱ってしまえば、回り回って植生に影響し、自然環境を破壊してしまうということですね。
立木へのダメージ
立木の近くで焚き火をすると、地面の中に張っている根が死んでしまいます。
根にダメージを受けた立木は腐ってしまい、最終的には倒木の危険性があるそう。これも自然破壊ですね。
芝生へのダメージ
一番視覚的にわかりやすいかと思いますが、直火を受けた芝生は当然焼けてしまいます。
気をつければ防げる?
これらは、ちゃんと場所と状況を弁えて焚き火をすれば防げる(影響を最小限に抑えられる)事態にも思えます。
なんとなく、全国で直火禁止に踏み切るほどの理由ではないような…
結局はマナーの問題
やはり、最近直火禁止になったキャンプ場のページなどをみていると、環境への影響というのは建前で、直接的な原因はマナーの悪い利用客が多いということのようです。
マナーの悪いキャンパーが焚き火をした場合、上記の環境への影響に加え、
- ゴミを燃やす
- 後片付けをしない
- 立木の傍で焚き火をする
といった問題が頻発。マナーはもちろんですが、こうしたことをしてしまうのは、初心者の知識不足によるところが大きいと思います。
ゴミを燃やす
燃やしてしまえばなんでも一緒と思っている人が多いのでしょうか。焚き火で食材のパッケージなどを燃やしてしまう人が結構いるようです。
ダイオキシンなどは有名ですが、自然界にない物質が燃えることで、環境に有害な物質が発生している可能性があります。
後片付けをしない
燃えカスは土に還ると考えて、焚き火後を放置、もしくはそのまま埋めてしまう人がいます。
ところが実は、炭化した薪は物質的に安定していて土に還りません。炭を土に埋めることそのものがまずいとは一概に言えませんが、キャンプ場という特別な場所においては明らかに地質に影響が出るレベルで炭が発生するため、やはり現状復帰が必要でしょう。
立木の傍で焚き火をする
木陰は過ごしやすいので、深く考えず立木の傍で焚き火をしてしまう人がいます。
しかし先述のとおり、立木の根へ深刻なダメージがあるため、木から3m以上は離れて焚き火をすることが必要です。
焚き火台を使うと解決する?
ここまで見てきた問題は、焚き火台を使うことで解決できるのでしょうか。一つひとつみてみます。
地面への影響は抑えられる
焚き火台は脚がついているものがほとんどで、焚き火が地面から離れるため、地面へ熱が伝わりにくくなります。これが焚き火台の主な目的でしょう。
直火をするとどうしても避けられない地面へのダメージは、焚き火台を使うことで最小限に抑えられそうですね。しかし、脚が短い、またはないタイプの焚き火台の場合は注意が必要です。
マナーを守りやすくなる
焚き火台を使うことで、上記のマナー問題の解決につながる場合もあるようです。
ゴミを燃やす問題に関しては、自分の焚き火台を汚したくないから余計なものを燃やさない、という意識が働きそうです(身勝手な考えではありますが)。
また、焚き火台の上に残った炭や灰は、処理をしないと撤収ができないため、指定の場所に片付けるようになるでしょう。その場に捨てるような悪意あるキャンパーは居ないと信じたいです…
まとめ
キャンプ場に直火禁止のルールがあれば、それを守るのは当然です。
しかし、直火OKのキャンプ場であっても、マナーを守らない焚き火をすればいずれ禁止になってしまいます。
キャンプは自然の中で楽しむものです。焚き火はキャンプの楽しみですが、ルールとマナーを守り、自然を守って、丁寧に焚き火をしましょう。
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