これまで、何度も計画しては天候や体調不良に阻まれリスケを強いられてきた奥穂高岳への山行。
2023年8月、ついに念願の登頂を達成しました。
行程
YAMAPのトラッキングデータは以下になります。
上高地〜涸沢〜奥穂高岳 / magentdaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
上高地から梓川を上っていき、横尾から涸沢へ。奥穂高岳登頂後、元来た道を戻るルートです。
穂高岳山荘からGPSの調子が非常に悪く、奥穂高岳登頂が記録されていないうえに、とびとびのトラッキングデータが完成してしまいました。
登山の記録
1日目・出発:さわんどバスターミナル

上高地まではマイカー規制のため、沢渡に駐車しバスで向かいます。
6時過ぎくらいに到着しましたがすでに長蛇の列。沢渡〜上高地のシャトルバス時刻表は以下から確認できますが、時期によっては列が長すぎるのでここで計画に遅れが出るかもしれません(出ました)。
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/sawando/
上高地インフォメーションセンター

上高地に到着するとインフォメーションセンターがあります。ここではまだ登山客よりも一般観光客の方が圧倒的に多数派です。

インフォメーションセンター近くに飲料水を汲める水場があります。
ソフトボトル等を持参すればここまで非常に身軽な状態で来られます。
河童橋

上高地インフォメーションセンターから林道を歩き河童橋へ。梓川を挟んで向こう側には観光客向けの施設がいろいろあります。
梓川の美しさも相まってここからもう既に絶景。有名観光地になるのも頷けます。空気もひんやりして気持ちいいです。
明神池

明神池へ行くのは有料です。穂高神社奥宮へ山行の安全祈願。
穂高神社奥宮の御神体は目の前に見える明神岳だそうです。
明神橋

ほぼ勾配のない平坦な道が続き明神橋へ。明神岳のピークが見えますが、主峰は上高地側からでは見えず、最高点ではないそうです。
大体ここで平坦全体の大体3分の1くらいです。

梓川に逆さ明神。もっと広角なレンズが欲しくなります。
徳沢園

平坦道の3分の2くらいを進むと徳沢園。
ほぼ標高は上げていないにもかかわらずひたすらの平坦は結構疲れます。

コーラソフトでエネルギーを補給。
カレーやピザもあります。行程とお財布に余裕があればエネルギー満タンにできますね。
横尾山荘

長かった平坦道最後のチェックポイント、横尾山荘へ到着。
平坦道はとにかく距離があるため、売店を見るといちいち休憩したくなる誘惑があります。

横尾大橋を渡ると、「登山道」という感じになっていきます。

横尾から仰ぎ見る屏風岩のこの威圧感。いつかロッククライミングもしてみたいです。

ようやく標高を稼ぐ感じになってきました。梓川から離れるにつれてどんどん暑くなってきましたが、涸沢まで頑張っていきます。

ひらけたところでカール地形が。
一瞬涸沢カールか?と勘違いしそうになりますが方角的に涸沢カールはまだ見えませんでした。

こんなに暑いのに雪渓が残っています。
やはり平地とは別世界です。
涸沢カール

涸沢カールのテント場に到着。
テント場を挟んで涸沢ヒュッテと涸沢小屋が建っています。
今日はここで行動終了し、涸沢小屋に一泊します。
涸沢小屋

テント場から少し登ったところの斜面に建てられた涸沢小屋。
テラスからテント場を見下ろすことができます。

もちろん涸沢カールも一望できます。
少し雲がかかってきましたが、以前蝶ヶ岳ヒュッテのテント場で直射日光がキツ過ぎたので、むしろ休憩にはちょうどいいです。

そしてこの季節に山小屋で一泊とくればコレですよ。途中途中いろいろ美味しいものを補給してきたとはいえ、行動終了のビールは身体に染み渡ります。

テント場を見下ろすとカラフルなテントがひしめいています。
これが紅葉の時期はどんなことになってしまうのか…考えると恐ろしいです。
涸沢小屋の夜

涸沢小屋の夕食。涸沢カールが見える窓際の席に案内されラッキーでした。窓から入る夜風が気持ちよかったです。
鶏肉のソテーに豆のチリビーンズっぽいソースをかけたもの?が傷ついた筋肉に行き渡ります。春巻きはシナシナかと思いきやまさかのパリッパリでした。ウマイ。
こういうところでは珍しく汁物が味噌汁ではなくすまし汁仕立て。これもウマイ。
ご飯を1回おかわりしました。セルフです。

夜のテント場を涸沢ヒュッテ側から。
下界では味わえない山特有の夜景です。が、三脚を持ってこなかったのでISO感度を引き上げざるを得ずノイズが結構気になる結果に…

涸沢には山岳遭難救助隊の基地があります。
このハイシーズン、コロナ自粛ムードも無くなってきて忙しいんだろうな…と思います。
2日目・奥穂高岳へ

2日目、大体朝4:30頃行動開始。
少なくとも午前中は好天が続く予報です。

前穂の嶺がモルゲンロートに燃えている。
ザイテングラート

ザイテングラートに取りつきます。
涸沢より下から遠目に見るとものすごく急峻に見えるザイテングラートですが、ここまで寄ってみればばそうでもありません。
しかし浮石が多く、足元に気をつけていても上から落石があるかもしれません。ヘルメットが必要です。
他の登山者とすれ違いづらい箇所も多いので時間を管理しつつ注意して進みます。

ザイテングラートから奥穂高岳。
まだモルゲンロートに燃えています。空の青も深まってきて対比が美しいです。
穂高岳山荘

ザイテングラートをこえ、穂高岳山荘へ到着。
この時ちょうど穂高岳山荘100周年とのことで記念グッズが売っていました。残念ながら手拭いは売り切れでしたがネットで再販があるとのこと。詳しくは実際に穂高岳山荘に行ってみましょう!
少し補給して奥穂高岳山頂へアタックします。

穂高岳山荘を出発すると即岩登りです。
すれ違えない箇所も多く譲り合いが必要ですが…ここが難儀しました。

ハシゴの通過は一人ずつなので、登りと降りが同時にとりつくと必ず片方がしばらく待たなければなりません。時間帯によってはどんどん順番待ちが増えていきます。

時刻は7時ジャスト。ようやく標高3000mを超えました。奥穂高岳山頂まで最後の一踏ん張りです。
やっぱり標高が大台に乗ったのを確認すると元気が湧いてきます。
登山において、時間を管理することは決して大袈裟でなく命に関わる問題です。今まではランニングとジムトレーニング用に購入したスマートウォッチを仕様していましたが、もう少し登山向きの時計が欲しいと思って探してみました。 手元の時計を見て、[…]

槍が見えます。槍はどこからみてもすぐ判りますね。

ピッケルのオブジェがあります。
ここで穂高岳山荘〜奥穂高岳山頂の行程の大体4分の3くらいです。
奥穂高岳山頂

念願の奥穂高岳登頂です。
しかし、ここで途中の鎖場の渋滞の原因がなんとなくわかりました。
それは頂上での記念撮影待ちの長蛇の列…。
天気もいいし人気の場所なので仕方ないですが…

ちょっと人が減るまで、涸沢小屋でもらった稲荷弁当で補給。と思いましたが、この判断が間違っていました。
そう、食べ終わる頃には、撮影待ちの列がさらにのびていたのです。

結局記念撮影を済ませるまでにおよそ50分。ここまで長居するつもりはなかったので若干焦りました。

奥穂から有名なジャンダルムが見えます。結構人が立っています。
ここから下山していきますが、復路でも山頂撮影待ちだった波が押し寄せ鎖場が大渋滞。山行としては余裕でマージンの範囲内ではあるものの計画より行動が遅れ、平坦道で少々急いでみるも帰りの電車は諦めムードへ…
徳沢園2

どうせ帰れないならもう我慢できません。帰りに徳沢園みちくさ食堂のコーヒーソフトで一服。
あまりに美味しいので調べましたが、「名物」とあるものの原料の産地などはわからず。
なんでこんなに美味しいんですか?
まとめ

天候に恵まれた山行となりましたがそれは皆同じ。大混雑でした。
上高地付近は一般の観光客が多く、登山道に輪をかけてさらにものすごい混雑。帰りのバスの列はディ○ニーランドのアトラクションに勝るとも劣らない規模に成長していましたが、なんとか無事に帰れたのでホッとしました。
しかしこの記事がいつもより長くなったことからみても、上高地〜奥穂高岳はやっぱり見どころの多いルートでした。
北アルプスは展望も素晴らしく、一般レベルでも様々なルートがあるので何度も訪れたくなりますね。